食物アレルギーって? 2つのタイプ、即時型と遅延型の違い

食物アレルギー
女性患者

田中さん

最近食事の後に皮膚が赤くなったり、かゆみが出ることがあります。
これって、食物アレルギーなんでしょうか??

食物アレルギーは、子どもがなりやすいと思われがちですが、大人にとっても無関係ではありません。
今まで食べても平気だったものが、突然アレルギー反応を引き起こすというケースも報告されています。

きずなクリニック医師

医師

この記事は、きずなクリニックの医師である マチルダがお話します。

最近大人の方にも増えている食物アレルギー。
当クリニックでもアレルギー症状を訴えて、受診・検査をされる方が多くなってきています。
乳幼児期に発症した場合は、治る確率が高いのに対して、6歳から成人期に食物アレルギーを
新規に発症すると治りにくいとされています。

今回は、
1.食物アレルギーってなに?
2.なぜ食物アレルギーが起こるの?
3.どんな食べ物で食物アレルギーが起こりやすいの?
4.食物アレルギーの種類(即時型・遅延型)
5.即時型・遅延型アレルギーが持つ意味

について解説いたします。

きずなクリニックはインドネシア・ジャカルタにある日系クリニックです。
14年間ジャカルタで日本人の健康をサポートしてきた、豊富な経験を持つ医師と 日本の看護師資格を持つ看護師
および日本人の医療関係者がアドバイザーとして常駐しています。

日本とは異なる環境の中で病気になると、言葉・医療体制・治療方法など、不安に感じることも多いことでしょう。
きずなクリニックでは、ひとりひとりの患者さんの不安に寄り添い、確かな医療技術と日本の医療を熟知したスタッフが
患者さんとともに最良の方法を一緒に探していくことを目指しています。
病気の時だけでなく、健康面で気になることがある場合には、どんなことでもお気軽にご相談ください。

食物アレルギーとは、特定の食べ物を食べた後に免疫システムが過敏に働き、体に不利益な症状が現れることです。
具体的な症状は次の通りです。

  • 皮膚症状:かゆみ、蕁麻疹
  • 眼症状:充血、痒み、腫れる
  • 消化器症状:腹痛、嘔吐、下痢
  • 呼吸器症状:くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、咳
  • 全身症状:アナフィラキシー

厚生労働省のアレルギー疾患の現状等に記載された報告によると、日本での大規模有病率調査において、
乳児有病率は5~10%、学童期は1~2%、成人は不明とされています。

なぜ食物アレルギーが起こるの?

食物アレルギーは、原因食物のタンパク質が腸内でアミノ酸まで分解できず、タンパク質のまま吸収されてしまうことが
きっかけで引き起こされます。
腸管から吸収される際に、当該タンパク質を異物だと認識すると、血中の抗体が反応してアレルギー症状が現れるのです。
卵アレルギーの人は卵のタンパク質に反応する抗体を、牛乳アレルギーであれば牛乳のタンパク質に反応する抗体を
持っていることになります。

 

では、「なぜ原因食物のタンパク質を腸が分解できなくなるのでしょうか?」

その原因として、以下が考えられます。

1.腸の荒れている(たまたまお腹の調子が悪く、下痢をしている)ときに、その食べ物を食べてしまうこと

2.分解しにくいタンパク質の構造を持つ食物を食べること

 

タンパク質には分解しにくく、アレルギーを引き起こしやすい構造と、そうでない構造があります。
タンパク質の多い食物がアレルギーの原因になりやすいわけではありません。
キウイフルーツはタンパク質が少量にもかかわらず、アレルギーを起こす原因食物として有名です。
これはキウイフルーツが分解しにくい構造のタンパク質を含んでいるからだと考えられます。

肉類はタンパク質の塊ですが、肉アレルギーの方はほとんどいません。
これは、牛や豚、鶏などのタンパク質の構造と人間のタンパク質の構造が似ているため、免疫学的な寛容度が働いて、
タンパク質が異物として認識される可能性が低いのではないかと考えられています。

どんな食べ物で食物アレルギーが起こりやすいの?

アレルギーを起こす原因となる食物として、日本人の場合は主に卵、乳製品、小麦があり、これらで3分の2を占めます。
特に卵が多く、全体の約40%にもなります。

食物アレルギー原因物質

今井孝成、海老澤元宏:平成14年・17年度厚生労働科学研究報告書より

食物アレルギーの種類(即時型・遅延型)

遅延型アレルギーの症状慢性疲労

ところで、食物によるアレルギーには、食後すぐに症状が出るIgE抗体(即時型)と、食後数時間から数日後に
症状が出るIgG抗体(遅延型)があります。

 

即時型アレルギーは、食後すぐに症状が出るため、原因となる食物が分かりやすいという特徴があります。
このタイプの反応としては、喉の腫れ、じんましん、膨満感、胃痛・腹痛、咳、突発性の下痢等が挙げられます。

遅延型の場合、症状が現れるまでに数時間から数日かかるため、アレルギー反応だと気付かずに
その食物を食べ続けてしまう傾向があります。
このタイプの反応としては、頭痛、めまい、うつ、などの精神神経症状や、肩こり、慢性疲労など、
一見食べ物には関係のないような多彩な症状を引き起こします。

即時型・遅延型アレルギーが持つ意味

リーキガット

即時型のアレルギーがあるかどうかは、特定の食物を食べると症状が出て、かつ、血液検査において
IgE抗体が確認されることで診断されます。

IgE抗体は食物別に測定することができますので、どの食物がアレルギー症状を引き起こすのかを
特定することが可能です。
しかしながら、「IgE抗体量の多さ=アレルギー症状の強さ」ではありませんので、どのくらいの量を摂取すると
アレルギー症状が出るかを知るためには、食物負荷試験を行う必要があります。

IgE抗体が確認された食物はアレルギー症状を起こす原因となりますが、完全に避けるのではなく、
アレルギー症状が起こらない程度に少量ずつ摂取することでアレルギー症状が出にくくなることが分かってきています。

 

遅延型アレルギーの場合、IgG抗体がある食物が必ずしもアレルギー症状を引き起こす食物とは限りません。
2週間程度避けることで症状が改善する場合は、その食物がアレルギー症状の原因になっている可能性がありますが、
食べることを控えても全く良くならない場合は、よく食べているために強く反応が出ているだけだと考えられます。

遅延型アレルギー検査で分かることは、「アレルギー症状」の原因食物ではなく、腸管の粘膜が損傷を受け、
その粘膜の「すきま」から血中に食材が漏れ出てしまう状態が起こっているということです。
この腸の漏れ(=リーキーガット)の程度を確かめ、腸管の状態を把握し、塞ぐ方法を考えることが重要です。

まとめ

食物アレルギーは、大人になってから急に発症することがあります。
食物アレルギーの症状が疑われた場合は、自己判断することなく、出来るだけ早めに医療機関へ
相談されることをお勧めします。

また、遅延型アレルギーの場合は、食事での摂取後から症状が出るまでに時間があるため
気づきにくいという特徴がありますが、慢性の疲労感や何とも言えない不快感などがある方は
食べ物が原因で起こっている可能性もあります。

きずなクリニックでは、症状に合わせて即時型アレルギー検査および遅延型アレルギー検査が可能です。

根本原因を把握後、症状改善のための指導も行っておりますので、気になる症状がある方は是非ご相談ください。

きずなクリニックでは、アレルギー検査だけでなく、
原因食物が見つかった後の食事指導なども行っています。

健康面でのご相談は、WhatsAppやお電話で24時間受け付けております。
お気軽にご連絡いただければと思います。

「食物アレルギーって? 2つのタイプ、即時型と遅延型の違い」への1件のフィードバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です