ホーム新着情報頭が痛い・・・3大慢性頭痛の見分け方 頭が痛い・・・3大慢性頭痛の見分け方 コメントする / 医療情報, 新着情報 / By kizuna-clinic-admin 田中さん 最近頭が痛いことが多いです。ズキンズキンしたり、ギューッと締め付けられるような痛みだったり・・・。頭痛薬を飲む頻度が以前より多くなったし、飲んでも効かないこともあるので、心配です。 「たかが頭痛で病院に行かない」という人は多く、頭痛持ちの方の約9割はそのまま放置、もしくは市販薬を飲んで様子をみているようです。慢性的な繰り返す頭痛には、3つのタイプがあり、それぞれ痛みが出るメカニズムや対処法が異なるため、正しくどのタイプなのか見分ける必要があります。 医師 この記事は、きずなクリニックの医師であるマチルダがお話します。日本人の4人に1人(26.3%)が 週に1回以上頭痛に悩まされており、 月に1回以上頭痛がある人は60.8%。 自分を頭痛持ちだと思う人は約3人に1人(34.8%)(日本人の「痛み」実態調査より)という結果もあり、頭痛は国民病ともいえる病気ですね。今回は、繰り返し起こる頭痛で、日本人の4人に1人が悩んでいると言われる「3大慢性頭痛」について下記の通りお話します。1.頭痛とは?2.3大慢性頭痛って?3.緊張型頭痛4.片頭痛5.群発頭痛 きずなクリニックはインドネシア・ジャカルタにある日系クリニックです。15年間ジャカルタで日本人の健康をサポートしてきた、豊富な経験を持つ医師と 日本の看護師資格を持つ看護師 および日本人の医療関係者がアドバイザーとして常駐しています。日本とは異なる環境の中で病気になると、言葉・医療体制・治療方法など、不安に感じることも多いことでしょう。きずなクリニックでは、ひとりひとりの患者さんの不安に寄り添い、確かな医療技術と日本の医療を熟知したスタッフが患者さんとともに最良の方法を一緒に探していくことを目指しています。病気の時だけでなく、健康面で気になることがある場合には、どんなことでもお気軽にご相談ください。 健康面について相談する 目次 Toggle頭痛とは?3大慢性頭痛って・・・?緊張型頭痛片頭痛群発頭痛まとめ 頭痛とは? 頭痛にはさまざまなタイプ・原因があり、国際頭痛学会の基準である『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』では367種類に分類されています。頭痛のタイプは大きく一次性頭痛と二次性頭痛の2つに分類されます。一次性頭痛とは、他にはっきりとした原因や疾患が見当たらない、「頭痛そのものが病気」の頭痛です。一方、二次性頭痛とは、他の疾患が原因となり起こる頭痛です。一次性頭痛の代表的なものには緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛があり、これらは「3大慢性頭痛」と呼ばれる、繰り返し起こる頭痛で、日本人の実に4人に1人が悩んでいると言われています。 3大慢性頭痛って・・・? 3大慢性頭痛は上述の通り緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛ですが、痛みの発生メカニズムも治療方法も異なるので、それぞれを慎重に見分ける必要があります。それぞれ頭痛の症状の違いは次のとおりです。 緊張型頭痛 慢性頭痛で悩む人の60%を占める【痛みの特徴】ギューッと締め付ける痛み、軽く体を動かしたり、お風呂に入ったりしてリラックスすると痛みが軽減する【原因】人間関係などの精神的ストレス、不安、デスクワークやパソコンの使用で同じ姿勢を長くとる、眼精疲労、肉体疲労、睡眠不足など、血管が収縮することで起こる【頻度】毎日のように頭が重い、一日中締め付けられている感じで、気分が晴れることがない【痛みの程度】寝込むほどではないが、肩や首が凝り、ふわふわしためまいがあったりする【治療法】非ステロイド性消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、抗不安剤、抗うつ剤、マッサージ(筋肉が緊張し、血管が収縮して流れが悪くなることが原因のため、マッサージを行うことが効果的。首の後ろにある頸椎の両脇、頭蓋骨の下縁から肩の筋肉をほぐす) チェックリスト□頭の両側が痛む□頭がぎゅっと締め付けられるような圧迫されるような痛みがある□寝込むほどの痛みではない□ストレッチ、散歩をすると頭痛がまぎれることがある□歩行、階段を上がるなどの動きで頭痛が悪化することはない□頭痛があるときに吐き気はない□頭痛の時に光や音を過敏に感じることはあってもいずれかのみ 片頭痛 日本の片頭痛人口はおおよそ840万人、20代~40代に多く、女性は男性の3.6倍多い。【痛みの特徴】波打つ痛み、発作のように何度も起こる。頭の片側が痛むことが多いが、両側に起こることもある。痛みの発作中に吐き気または嘔吐を伴ったり、光や音、匂いに敏感になったりする。発作の前に閃輝暗点という前兆がある人もいる【原因】脳血管が拡張することにあると言われているが、空腹や運動、ストレス、食物(チョコレート、ナッツ、ワインなど)で誘発されることもある【頻度】4時間~72時間【痛みの程度】中等度から重度【治療法】発作時―トリプタン系薬剤、NSAIDs、抗CGRPモノクローナル抗体製剤予防薬―カルシウム拮抗薬、β遮断薬 チェックリスト□頭痛のとき、胃の不快感や気持ち悪さがある□頭痛のとき、普段より光が眩しく感じる□頭痛時には動くと辛く、動くと悪化する□頭痛の時、普段より臭いを敏感に感じる 緊張型頭痛と片頭痛は、最初に首の後部の痛みから始まることが共通していますが、血管が収縮する緊張型頭痛と、拡張する片頭痛では痛みのメカニズムが正反対です。その区別は重要で、頭痛が起きている時に身体を動かしてみるとどちらか分かります。緊張型頭痛は軽い運動や散歩をしたほうが血行がよくなり、症状が緩和しますが、片頭痛は身体を動かしたりマッサージしたりすると逆に痛みがひどくなります。 群発頭痛 20代~40代の若い男性に多い。【痛みの特徴】片目の奥がえぐられるような痛み、きりで刺されたような鋭い痛みが出現する減する【原因】原因は不明だが、血管が拡張することによって痛みが発生するため、血管拡張作用のあるもの(飲酒、血管拡張薬、熱いお風呂やサウナなど)が発作の誘因となる【頻度】1~2カ月の間に頭痛が群発し、頭痛が起こる「群発期」には1回につき1~2時間程度の激しい痛みが 1~2カ月間にわたって続くことが多い【痛みの程度】じっとしていられないほどの激しい痛み【治療法】トリプタン製剤注射、酸素吸入、ステロイド チェックリスト□ある時期に集中・群発し、1~2カ月にわたって毎日1~2時間の頭痛が起こる□頭痛が出る「群発期」は年に1~2回のこともあれば、2~3年に1回のこともある□明け方のほど決まった時間に起こることが多い□片方の目の奥がえぐられる、ナイフで刺されたように激しく痛む□痛む目が充血し、涙が出る□痛む側の鼻が詰まる、鼻水が出る□頭痛の最中は痛さでじっとしていられない□群発期間中はアルコールを飲むと必ず頭痛が誘発される 群発頭痛は特徴的な症状が多いため、緊張型頭痛、片頭痛との鑑別は容易です。一過性で重度の頭痛が15分~3時間程度継続し、目の充血や鼻水、鼻づまり、発汗、落ち着きがないといった症状を伴い、これらの症状を起こす発作に周期性がある場合は群発性頭痛と診断できます。ただし、群発頭痛に典型的でない症状があるときは、くも膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍など重大な脳の病気が原因で激しい頭痛(二次性頭痛)が起こっている可能性もあるので、注意が必要です。 まとめ 慢性の一次性頭痛は命にかかわる頭痛ではありませんが、学校や仕事に行けない、行っても効率が上がらない、頭痛で寝込んでしまうなど、生活の支障が大きければ、病院を受診し、しっかりと治療する必要があります。また、繰り返す頭痛に対して、自己流の治療によって漫然と市販の鎮痛薬で対処していると、鎮痛薬を飲みすぎてしまい、「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」という新たな頭痛を併発する危険性がありますので、頭痛の症状がぜひ医療機関にご相談ください。 健康面について相談する