2歳になっても言葉が少ない…

発達障害?様子見?受診の目安を解説

「同じ年齢の子はおしゃべりなのに、うちの子はまだ単語が少ない」

「保育園の先生から発達相談を勧められた」

「YouTubeばかり見せているのが原因?」

当クリニックでも最近増えている相談の一つが、『言葉の遅れ』です。

しかし、言葉が遅い=発達障害とは限りません。

一方で、早めに気づいてあげることで、その後の発達を大きく伸ばせるケースもあります。

今回は、

  • 言葉の遅れの原因
  • 発達障害との違い
  • 家庭で確認していただきたいポイント
  • 医療機関で行う検査

について当クリニックの医師マチルダが解説致します。

1.言葉の遅れの原因

Q. 2歳で言葉が少ないのは発達障害でしょうか?

A. 必ずしも発達障害ではありません

実際には、下記の発達障害ではないケースがあります。

  • 男の子で言葉の出始めが遅い
  • 性格的におとなしい
  • 多言語環境
  • 周囲が先回りしてしまう


一方で、以下の場合は言葉の遅れの原因になります。

① ASD(自閉スペクトラム症)

特徴:

  • 名前を呼んでも反応しない
  • 指差しをしない
  • 視線が合いにくい
  • 一人遊びが多い

② 発達性言語障害(DLD)

知的発達に大きな遅れがないにもかかわらず、言葉の理解や表出に持続的な困難がある状態

特徴:

  • 人との関わりは良い
  • 目も合う
  • 指示理解もある

しかし

  • 言葉だけが遅い

③ 難聴

中耳炎を繰り返すお子さんでよくみられます

月齢別発達チェック表

  年齢  発達の目安
  6か月  名前に反応
  9か月  喃語が増える
 12か月  パパ・ママなど意味のある言葉
 18か月  10語前後
 24ヵ月  二語文
 36か月  会話が成立

受診を検討したいサイン

  • 18か月で意味のある単語がない
  • 2歳で二語文がない
  • 名前を呼んでも反応が少ない
  • 指差しをしない
  • 一度話していた言葉が減った

2.発達障害と単純な言葉の遅れの違い

発達障害と単純な言葉の遅れと発達障害の比較表

項目ASDでみられやすい特徴単純な言葉の遅れ
視線合いにくいことがある合う
指差し少ないことがあるある
名前への反応反応が弱いことがある反応する
ごっこ遊び少ないことがあるできる
対人関係独特なことがある関心あり

Q. YouTubeやタブレットは言葉の遅れに影響しますか?

A. 長時間の視聴は言葉の発達に影響する可能性があります。

近年の研究では2歳未満で

長時間のスクリーン視聴

   ↓

親子の会話時間減少

   ↓

言語発達遅延 との関連が報告されています。

注:JAMA Pediatrics, Screen Time and Parent-Child Talk When Children Are Aged 12 to 36 Months より独自に作成

特に注意したい視聴方法>
❌ 一日中流しっぱなし

❌ 食事中も視聴

❌ 寝る前まで視聴

推奨される方法>
⭕ 保護者と一緒に見る

⭕ 見た内容について会話する

⭕ 1日1時間以内を目安

Q. 多言語環境は言語発達の遅れの原因になりますか?

A. 当クリニックでも日本語・英語・インドネシア語で育つお子さんを多く診察しますが、多言語環境そのものは発達障害の原因にはなりません。

一時的に

  • 単語数が少なく見える
  • 使う言語が混ざる

ことがあります。

しかし総語彙数で見ると正常なことが多いです。

例:日本語20語、英語15語、インドネシア語15語 → 合計50語(問題なし)

3.家庭で確認していただきたいポイント

以下に該当するものはありますか?

□ 指差しをしない

□ 他人の真似をしない

□ 名前を呼んでも反応しない

□ ごっこ遊びをしない

□ 目を合わせるのが苦手

□ 興味が偏っている

※正式評価には医療機関での判定が必要です。

4.医療機関では何を調べるの?

① 聴力検査 難聴の除外

② M-CHAT-R/F ASDスクリーニング

発達検査

新版K式発達検査

評価

  • 姿勢運動
  • 認知適応
  • 言語社会

遠城寺式発達検査

評価

  • 運動
  • 社会性
  • 言語

④ 専門医診察 発達全体の評価

まとめ

言葉の遅れの原因は

  • 個人差
  • 多言語環境
  • 難聴
  • 発達性言語障害
  • ASD

など様々です。

大切なのは「様子を見る」ではなく「評価する」こと。

早期評価・早期支援は、お子さんの将来の可能性を広げます。

保護者の方が今日からできること>

① 目を見て話す

② 絵本の読み聞かせ

③ 一緒に遊ぶ

④ 指差しを増やす

⑤ スクリーン時間を減らす