新型コロナウイルス感染!?自宅療養中に注意すべき3つのこと

新型コロナウイルス感染
男性患者

鈴木さん

自分では細心の注意を払っていたつもりでしたが、コロナウイルスに感染してしまいました。
今はそれほど症状は出ていませんが、今後気をつけなければいけないことは何ですか?

インドネシアでは、デルタ株が猛威を振るっていて、感染が拡大していますね。
デルタ株は、感染のスピードが速いことに加えて、症状も重い場合が多いのが特徴です。

きずなクリニック医師

医師

この記事は、きずなクリニックの医師である マチルダがお話します。

新型コロナウイルスに感染された方が自宅で療養される際に、
1.どのような点に気をつければよいか、
2.コロナウイルスへの感染が疑われる際にどのような検査を受けるべきか、

についても解説しています。

きずなクリニックはインドネシア・ジャカルタにある日系クリニックです。
14年間ジャカルタで日本人の健康をサポートしてきた、豊富な経験を持つ医師と 日本の看護師資格を持つ看護師
および日本人の医療関係者がアドバイザーとして常駐しています。

日本とは異なる環境の中で病気になると、言葉・医療体制・治療方法など、不安に感じることも多いことでしょう。
きずなクリニックでは、ひとりひとりの患者さんの不安に寄り添い、確かな医療技術と日本の医療を熟知したスタッフが
患者さんとともに最良の方法を一緒に探していくことを目指しています。
病気の時だけでなく、健康面で気になることがある場合には、どんなことでもお気軽にご相談ください。

新型コロナウイルス

感染力が強い変異した新型コロナウイルスである『デルタ株』。

WHO(世界保健機関)によれば、デルタ株は2020年10月にインドで初めて報告され、2021年4月以降のインドにおける急激な感染拡大の原因の1つとされています。

『デルタ株』はウイルスの突起の部分にあたる  ”スパイクたんぱく” の遺伝子に、「L452R」「P681R」などの変異が起こり、人の細胞にくっつきやすく、また、感染者が出すウイルス量も多いことから、感染力がより強くなっています。

新型コロナウイルス罹患
自宅療養中に気をつけるべきこと

新型コロナウイルス感染 自宅療養

新型コロナウイルス感染後に現れる初期症状:

新型コロナウイルス感染後にまず最初に現れる症状として、
『発熱、頭痛、吐き気、体の痛み、疲労感、食欲不振、嗅覚・味覚の喪失、咳、喉の痛み』などがあります。
これらの症状が現れた場合は、抗原検査やPCR検査、および医療機関への受診をお勧めします。

自宅での療養中に気をつけるべきこと:

新型コロナウイルス感染者の多くは、1週間から10日前後で症状が軽快していきます。
その一方で、感染者の約2割程度の方が、7~10日目にかけて呼吸器症状(咳、痰、呼吸困難など)が強く現れ、
肺炎が悪化し、重症化することが分かっています。

このため、ご自宅での療養中に気をつけて頂きたいことは、
1.咳・痰が多く出ていないか
2.息苦しくないか
3.血中酸素飽和度の測定(通常は96~99%)

コロナ肺炎では、ウイルス感染によって酸素飽和度が70~80%のような重度の低酸素血症の状態になったにもかかわらず、
「息が苦しい」と訴えないケースが多々見受けられます。
このため重症化の発見が遅れることが問題となっており、血中酸素飽和度は、新型コロナウイルス感染者の
重症度を測る目安としても用いられています。

【酸素飽和度分類】

1.酸素飽和度が96%以上の場合:呼吸器症状はほとんどなく、息切れや息苦しさもあまり感じない状態です。
                多くの場合、症状は軽症で、自然軽快します。

2.酸素飽和度93%~96%            :息切れはありますが、呼吸困難を感じない場合も多いので注意が必要です。
                         肺炎の所見が認められることも多いです。

3.酸素飽和度93%以下                 :酸素投与が必要です。
                               酸素投与後に酸素飽和度が上がってくるかどうかも注意深く観察する必要があります。
                                                              肺炎に対する処置を行うとともに、酸素飽和度が上がってこない場合には、
                                                              入院を検討する必要があります。

コロナウイルスに感染したかも・・・
という時に受けるべき検査

新型コロナウイルス感染 PCR検査

新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、
いずれも検査を受ける人の細胞内にウイルスが存在しているかどうかを調べるための検査です。
この中でも、インドネシアで通常の検査に使われているPCR検査及び迅速抗原検査(抗原定性検査)について、
両者の違いと検査を受けるべきタイミングについて解説します。

 

迅速抗原検査(Rapid Antigen)とPCR検査の違い

迅速抗原検査は、検査したいウイルスの抗体を用いて、ウイルスが持つ特有のタンパク質を検出する検査方法です。
PCR検査に比べ検出率は劣りますが、少ない時間で結果が出て、特別な検査機器を必要としないことから
速やかに判断が必要な場合等に用いられることが多いです。

一方で、PCR検査は、検査したいウイルスの遺伝子を専用の薬液を用いて増幅させ検出させる方法です。
感度は約70%程度と言われていて、検体採取をした場所にウイルスが存在しなかった場合などは
感染していた場合でも陰性となってしまう場合があります。

 

検査を受けるべきタイミング

迅速抗原検査は、暴露があった5日目(発症0日)から発症後5日目までの確定診断に有効です。
無症状の時期に検査しても、検出できない可能性が高くなります。

PCR検査は、感染してから発症する数日前より検出可能とされています。
具体的には、暴露後3日目(発症2日前)から可能で、無症状の時期にも検査できますが、早すぎると偽陰性になります。


迅速抗原検査(Rapid Antigen)が陰性の場合、PCR検査を受ける必要があるかどうかについてですが、
PCR検査ではウイルスの増幅を行っており、この増幅に必要なサイクル数(Ct 値​)が25以上の場合、
抗原検査においては、ウイルスが体内にいても陰性になることがあります。
つまり、抗原検査が陰性の結果であった場合もPCR検査を行わないと、必ずしも陰性とは言えません。

まとめ

新型コロナウイルス感染者の多くは症状が自然に軽快しますが、2割程度の方は7~10日で肺炎の症状が強く現れ、
重症化します。

そのため、
1.咳・痰
2.息苦しさ
3.血中酸素飽和度の測定

が重要です。

息苦しいなどの症状がない場合でも、血中酸素飽和度が93%以下になる場合はお近の医療機関やかかりつけ医へ
すぐに連絡するようにしましょう。

きずなクリニックでは、新型コロナウイルス罹患者に対する往診のほか、
ご自宅で医師の診察を受けることができるオンライン診療も行っています。

健康面でのご相談は、WhatsAppやお電話で24時間受け付けております。
お気軽にご連絡いただければと思います。